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    「志通信」メールマガジン                  1999年2月 VOL.10

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■「必然」思考

前号では、厳しい経営環境での舵取りを「嵐の航海」に例えました。
実際、3月の年度末に向けて帆一杯の風を受け見事な航海をされている企業があれば、これまでに経験のない嵐に遭遇し、大変苦労されているところもあります。
突然の倒産や取引中止、貸し渋りなど、一夜にして状況が暗転してしまうと、経営者が大きな精神的ダメージを受けてしまうことも少なくありません。
このような非常時に注意しなければならないのは、決断を誤まらないことではないでしょうか。
私は、幸か不幸か会社の命運を左右するような経験や、生死をさまようような体験はありません。
それどころか小さな事でくよくよ悩んだり、落ち込んだりして、判断力が鈍ってしまうのです。
私が考えるに、人間とは悪条件にさらされると何時の間にかマイナス思考に陥ってしまい、自らの責任を他へ転嫁してしまうなど、判断を誤り易い性質を持っているのではないでしょうか。
だとすれば、逆境の中でこそ落ち着いて、間違いの無い判断を下す必要があると思うのです。
また言い換えれば、逆境の時こそ自らの本質を問われていることを認識しなければなりません。
数年前に福島大学教授の飯田史彦先生の書かれた「生きがいの創造」という本がベストセラーになりました。
「“生まれ変わりの科学”が人生を変える」という副題で、少々オカルト的な内容でもあった為、生まれ変わりについての論議を呼んだ一面もありましたが、一番印象に残っているのは、「現在自分の身の回りに起こる出来事は、前世での自分が今世の自分のために課した課題である」という内容です。
これは心理学の臨床実験の中で、ある種の催眠療法によって被験者の過去を幼少期まで遡っていた時に、遡り過ぎて前世の自分にたどり着き、その前世の自分がそう言っていたとのことですが、「生まれ変わり」が事実であるか、またそうでないかは実際に死んでみないと分かりません。
しかし、そう考えることは全ての出来事を主体的に受け止めることに繋がります。そして、それは自分にとって大きなプラスになると思うのです。

(実体験や確証はありませんが、個人的には「生まれ変わり」は実在するような気がしています)

「人生における出来事は、自らの成長のために必要があって起きている」この「全ての出来事を必然とする考え方」、つまり「必然思考」を体得すれば、判断を誤ることは少なくなると共に、生き方も大きく変わることと思います。
そうはいっても私の現状は、「知るは易く行うは難し」をつくづく実感するばかりで、まだまだ「必然思考」の域に達することはできません。
いつも思い悩むばかりで、相当な遠回りをした後に、ようやく「必然思考」にたどり着き、次への一歩を踏み出すことができる程度なのです。
また「生きがいの創造」の中では、出来事だけでなく「人との出会い」についても前世で自らが決めたものであると書いてあったように記憶しています。
家族や友人といった周りに存在する方とのご縁を「必然」と考えると、人との付き合い方も随分違ってくるのではないでしょうか。
しかしながら、出来事とご縁のいずれをとっても、私が一人前になるのはまだまだ遠い道のりのようです。


■考事縁

考事縁とは、「物事(の本質)を考えるご縁(きっかけ)作り」の意

●今号では、「必然」を取り上げます。
1.ひつぜん【必然】
 @必ずそうなること。
2.ぐうぜん【偶然】
 @何の因果関係もなく、予期せぬ出来事がおこるさま。
(広辞苑より抜粋)

●「必然」とは、「必ずそうなると決まっているもの」という意味ですが、ここでは「必要があるもの。また何らかの必要があって発生する出来事やご縁」という意訳をしたいと思います。
そしてこの対極にあるのが、「偶然」、つまり「思いがけないこと」なのです。 私たちが、出来事を「偶然」と考えるか、 それとも「必然」と考えるかは、大変大きな違いです。
「偶然」と考えていると、つい受け身であったり、漫然とした対応になりがちですが、「必然思考」によって、物事の本質や深い意味を知ろうとする努力や、また多くを活かそうとする行動ができるのではないでしょうか。


■編集後記

「生きがいの創造」に書いてあるように、現世での「人とのご縁」が前世で決まっているとすれば、私は前世でかなり多くの方に「来世もまたお願いします」とお願いして回っていたようです(笑)
今世だけでなく、前世でも多くの方にご迷惑を掛けていたかと考えると、背筋が寒くなるものがありますが、今こうやって読んで頂いている方も多分前世からのお付き合いですから、「もう今世限りにしてくれー」なんて言わずに、今後とも(来世も?)よろしくお願い します(再笑)。

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