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「志通信」メールマガジン 2012.5 VOL.133
〜 Good Communication♪ 〜
■海士町(あまちょう)
今年の初めに、SVCの小林秀司さんより、
「田原さん、隠岐の島の海士町は
離島なのに、地域の活性化によって
UターンやIターンが増えている
スゴイ所なんです。
今度、ご一緒しませんか?」
とお誘いいただいたのがきっかけで
今月、行ってまいりました〜♪
http://www.town.ama.shimane.jp/
■初日
参加メンバーのみなさんと
ゲゲゲの街である鳥取県境港市で合流し、
フェリー+小型船で約3時間の船旅。
菱浦港に迎えに来てくれていたのが、
海士町観光協会ホープの青山敦士さんでした。
港近くのマリンポートホテル海士にチェックインし、
夕食は海岸沿いので海鮮&隠岐牛バーベキュー♪
外で食べる新鮮なサザエ、ひおうぎ貝、
アジの一夜干し、などなどの食材、
そして地元のお米と日本名水100選の
「天川の水」で作られた日本酒「承久の宴」が
ベストマッチ。
観光協会メンバーのおもてなしもあって
すっかりテンションの上がったメンバーは、
町に数軒しかないスナックへ。
この日、初めてお会いした方も
いらっしゃったのですが
ここですっかり意気投合し、
ホテルの部屋での三次会では、
大阪のMさんのお話に皆さん感動!
ステキなスタートとなりました♪
■二日目
この日は海士町の改革について
話を伺ったのですが、
トップバッターは産業創出課の大江課長。
「離島発! 地域再生への挑戦」
というテーマで、
これまでの取り組みについて
教えていただいた内容を
かいつまんで説明しますと...
・超過疎化、超少子高齢化の中、
離島振興法等を活用して
社会資本が整備されたものの
平成13年度末の地方債はピークの101.5億円に。
・平成14年5月に、現山内町長が当選。
地域経営は企業経営と同様であるという考え方のもと
「役場=住民サービス総合株式会社」
という意識改革がスタート。
・平成の大合併の波が押し寄せる中、
平成15年12月に合併を拒否して自立の道を選択。
住民も職員も
「自分たちの島は自ら守り、島の未来は自ら築く」
という自治の原点に立ち戻ったものの、
直後の「三位一体改革」によって
地方交付税が大幅に削減され、
平成20年度に「財政再建団体」となることが予測される。
・山内町長が自らの報酬50%カットを表明。
これに管理職が賛同し、自分たちの報酬カットを申し出る。
さらに、一般職員からも自主減額の申し入れがあり、
平成16年度から給与カットが実施されて
全国で最低レベルの給与となり
テレビや新聞等で大きく取り上げられる。
・その他、「守り」としての行財政改革を断行する中、
役場の本気に住民が呼応し、
老人クラブからバス料金の値上げや補助金の返上、
各種委員からは日当減額の申し出があるなど、
島内外からの協力や応援・寄付が集まるように...。
・「攻め」としては、地域資源を活かし、
島に産業を創り、島に人(雇用の場)を増やし、
外貨を獲得して、島の活性化を図るために
冷凍施設CAS等の投資によって、
「さざえカレー」、「岩ガキ」、
「白いか」、「隠岐牛」などの
商品化&ブランド化を推進。
・上記の取り組みによって
現在の地方債残高は
70億円近くまで減少している。
とのことでした。
内容も素晴らしいのですが、
自分たちの町のことを
生き生きと話をされる姿が
カッコいいんです...。
次にお話を伺ったのが、
交流促進課の青山課長。
(観光協会の青山さんとは、
偶然の同姓だそうです)
先程の「攻め」の部分に関連して
「離島キッチン」という
移動宣伝車を活用されていたり、
来島される観光客に
きめ細やかに対応されていて、
地元の海士町を
何とか盛り上げていきたいという気持ちが
ヒシヒシと伝わってきました。
そして、そろそろタイムリミットという頃、
送迎のためにやってきたのが、
若い方の青山さん。
青山課長ご本人を目の前にして
「青山課長はどんな方なんですか?」
と質問してみると...
「ボクは大学の先輩に誘われて
Iターンで海士町にやってきました。
元々街の活性化に興味があったので、
島に来て早々、自分の考えを
パワーポイントにまとめてプレゼンしたのですが、
今考えると相当頭でっかちだったと思います。
でもこの時、青山課長は最後まで話を聞いた上で
『予算はどうやって調達するつもり?』
と質問してこられました。
ボクは、予算のことなど
まったく考えていなかったので
言葉に詰まってしまったのですが、
青山課長は、そんなボクを
すぐに東京出張に連れて行ってくれました。
そして霞が関の官僚の皆さんの前で
プレゼンの機会をいただいたのですが、
実際に予算がつく訳はなく
少々落胆して海士町に帰ってきました。
自分のアイデアを具現化することを
あきらめそうになっていた時、
青山課長は地元の経営者の方数名に
引き合わせてくださって、
そのお陰でその中の一人の方から、
出資していただくことに成功したのです。
当時のことを思い出すと
あまりに無知で恥ずかしくなるのですが、
想いを実現するために
予算やその調達を含めて
しっかりと計画を練り上げること、
そしてあきらめずにとことん実行することを
教えていただいて感謝しています。
それ以降もいろいろとご指導いただいているので、
そのご恩に報いるよう
これから頑張っていきたいと思います。」
お世辞ではなく、
心からの感謝の気持ちを聞いて、
一同感動でした〜♪
■三日目
三日目は土曜日だったのですが、
午前中一杯お時間をいただいて、
山内町長のお話をじっくりと
伺うことができました。
町をなんとかしなければという危機感から、
まずは自身の報酬半減を表明された町長。
まさに、リーダーの鏡です!
その数日後、夜遅くに役場で仕事をしていると、
課長の一人から電話があり、
「町長、今、課長メンバーが集まって
食事をしているのですが
帰りに寄ってもらえませんか?」
と誘われたそうです。
何の話かと行ってみると
課長全員が町長に口を揃えて
「海士町は私たちの故郷です。
町長だけでなく
私たちの報酬もカットしてください。
お願いします!」
と言われたそうです。
自分の想いが伝わっていることを
実感したこの時、
町長は課長さんたちと一緒に
男泣きされたそうです。
この話を聞いて
もちろん私たちもウルウル...。
私は、町長に思わず
「日本の首相になっていただきたいです」
とお願いしてしまいました...(^^)
全国の首長さん、
海士町を見習って
地域を、そして日本を変えていきませんか?
こんなリーダーであれば、
私たち日本国民は
協力・応援を惜しみません!
■ないものはない
キンニャモンニャセンターに
たくさん貼られていた
「ないものはない」ポスター。
http://www.town.ama.shimane.jp/topics/3000-1/post-72.html
以前、海士町では、
「あれもない」
「これもない」
「だからどうしようもない」
という会話が多かったそうですが、
それを逆手にとって
逆転の発想で考えられたのが
「ないものはない」
という言葉。
『なくてよい。
大事なことはすべてここにある』
という意味なんですね...深い!
海士町の経営指針は、『自立・挑戦・交流』
〜 そして人と自然が輝く島 〜
文豪小泉八雲も愛したこの島から
発信される幸福論が
これからどう実現されていくのか
とても楽しみです!!
■編集後記
上記でご紹介した以外にも
Iターンされた方にお話をうかがったり、
三日目には民宿但馬屋さんに宿泊したり、
後鳥羽上皇が祀られている
隠岐神社をはじめとする海士町の観光や
隣の西ノ島での国賀めぐり観光など、
盛りだくさんのツアーとなりました。
ないものはないのですが、
いろいろとある海士町。
また近々再訪したいです...
いや必ずします!
そうそう、以前から
「家族で行こうネ♪」
と言っていた隠岐の島エリアに
父さんだけフライングしてゴメンネ〜。
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