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    「志通信」メールマガジン                  1999年11月 VOL.19

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■金儲け

皆さんは、お金を稼ぐことや儲けることまた仕事を受注することに対してどういった考えをお持ちでしょうか。
先日ある会社の若手営業スタッフの方と面談させていただく機会がありました。その中で印象に残ったことをご紹介したいと思います。
入社二年目のAさんは、上司の方からの事前情報によると営業成績は中ぐらいで期待している割りには今一つ成績が伸びておらず、良い機会なのでその原因についてよく話をしてみて欲しいとのことでした。
お会いしてみると話し方や話の内容もしっかりとした印象ですし、外観もなかなかの好青年です。
仕事に限らずプライベートな面も含めていろいろな話をしたのですが、営業の仕事に関しては少々詰めが甘いように感じました。
その点について掘り下げて話を聞いて見ると、どうも仕事でお金を貰うことに罪悪感を感じており、受注に対して貪欲になれないようなのです。
なぜそういう考え方になったのかという根本原因までは掴めなかったのですが、とにかく頑なに思い込んでいたようでした。


■職業観

自分のことしか考えない、また自分さえ良ければいいという風潮が強い中で、Aさんのような考え方は貴重とも思えますが、残念ながらこのような考え方では勝ち残ることは難しいでしょう。
この時私は、Aさんに少し視野を広げて考えていただこうと思い、私なりの職業観や人生観をお伝えしました。
具体的には、仕事とはお客様のお役に立ち、お客様に喜ばれることが基本であり、その対価として売上や利益が生まれること、また小さな子供が人に喜ばれることを自分の喜びとして行動するのは、人間の本質的な善なる姿を表わしたものであり、「人(お客様)に喜ばれる」ということは本来人間が欲求しているものであること、そしてこれを奇麗事やお題目ではなく取り組むことによって仕事が単なる金儲けではなく素晴らしい営みになることをお伝えしました。
また、このような考え方に基づいた理念とビジョンを掲げ、社内外での喜びと感動を創造している他社の事例についてもご紹介させていただきました。
これまで、Aさんにとって「受注」とは、ある種「口八丁・手八丁で手に入れるもの」であり、「お客様をたぶらかす要素を含むもの」であったようですが、私の話を素直に受け止めていただけたようで、少々大袈裟な言い方ではありますが、「目から鱗がとれました」とのことでした。


■真の教育

社会においては、いろいろな価値観を持つ人々が様々な環境の中で仕事をされており、10人いれば10通りの、100人いれば100通りの考え方があると思います。
したがって、中には生活をするために仕方なく仕事をしているという方もいらっしゃるでしょうし、方法がどうであれお金になればいいじゃないかという方もいらっしゃると思います。
しかしこれからの時代、組織を構成する各人がバラバラの価値観や考え方で仕事をしていたのでは総合的な価値を高めることができず、結局負け組になってしまいます。 したがって、今の時期だからこそこういった根本的な考え方を強く共有することが必要なのです。
中には「いやいやそんな時間と余裕はないんですよ」と言われる方があるかもしれませんがそれは違います。
確かにありきたりのテクニック的な社員教育は無駄かもしれません。しかし理念に基づいた教育は、いくら時間と費用が掛かろうとも行なわければなりません。
これこそが本当に強い会社創りに繋がっていくのです。
皆さんは、社員さんや部下の方が「金儲け」に対してどのようなお考えをお持ちかご存知でしょうか?
まずは、時間を作って話をするところから始めていただければと存じます。


■評価

また私は、個人の給料(報酬)と会社の売上・利益とは、社会からその価値を判断された評価そのものであると考えています。
その意味において、仕事の価値を高めお金を儲けることは善であり、悪いことではありません。(もちろん商工ローン等社会的に問題があるものは例外です)
そして後は問題になるのはそのお金の使い方です。
報酬から判断しますと、私の価値はまだまだのようです。将来いいお金の使い方ができるよう、これからしっかりと儲けていきたいと思います。
したがって、皆さんにはまず私が儲けることができるよう多大なるご支援をお願いいたします。(笑)


■編集後記

先日、以前何度か伺ったことのある会社が倒産されたとの噂を聞きました。
詳しいことは分かりませんが、社員さんのために一生懸命取り組まれていた社長さんの姿と面識のある従業員さんのお顔を思い出し、複雑な心境になりました。
産業構造が大きく変革する中で、30年と言われてきた企業の平均寿命が短くなっていくことは間違いないでしょう。
ある経営者の方が、「田原さん、会社は何もしなければ潰れてしまうような構造になってますね」ということをおっしゃっていましたが、まさにその通りです。
何もしなければ、必ず潰れるのが「会社」という生き物です。
そして「生き残り、勝ち残る」とは、言い換えれば「倒産しない」ということです。
「倒産しない、または倒産しにくい仕組みになっているか」少し違った角度から皆さんの会社を見つめ直してみられてはいかがでしょうか?

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