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    「志通信」メールマガジン                  1998年8月 VOL.4

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■墓参り

私事ですが、例年お盆休みには家族で墓参りをしています。
墓に参るといっても、もっぱら一年に一度親戚と顔を合わせ、ビールを飲んだり食事をしながら談笑することが楽しみという誠に不謹慎な私なのですが、そんな信仰心の薄い私であっても、墓碑を見ながら先祖のことを考えると、自分が「今、ここ」に生きていることの不思議を感じずにはいられません。
と言いますのが、父母や祖父母といった直系のご先祖様を数えてみると、5代遡れば32人、10代遡れば1024人も存在しており、そんなにもたくさんの先祖があって、今の自分があるからです。
先月号では、「使命」に関連して芳村思風先生より頂戴した「この命、何のために使うか」という言葉をご紹介しましたが、このように多くの先祖があって自分がこの世に生を受けているという事実を見つめると、「生きる」ということの意味を考えざるを得ないように感じます。 自らのルーツを知るということは、使命を抱き使命感に生きる原点の一つとなるのではないでしょうか?


■見ていてくれよな

前にNHKの「課外授業」という番組で元力士の「琴風」として活躍されたある親方が(すいません、現在の親方としてのお名前を忘れてしまいました)力士時代を振り返り、子供たちに話をされている場面がありました。
話の内容としては、確か試合か練習で大切な足を痛めてしまい、周りからは土俵に立つことをあきらめるように諭されたものの、どうしてもあきらめることができず一生懸命リハビリを行い、再起不能と言われながらも完全復活したというようなものだったと思います。
もちろんこの結果も素晴らしいのですが、それに至る過程で苦しんでいた時、この親方は神様に対して「俺はこんなに頑張っているんだから、今の俺を見ていてくれよな。俺はもう本当にこれ以上はできないと自信を持って言えるぐらい頑張ってるんだから、頼むからもう一度土俵に立たせてくれよな。土俵に立てなかったら、神様を恨むからな。」とお願いしていたそうです。
ここまで言い切ることができるということは、まさに「人事を尽くして天命を待つ」ということではないでしょうか。
さて私自身はどうでしょうか?「人事を尽くさず天命に期待している」のです。
自分の甘さは、自分が一番良く知っています。そのような時には、自律自戒のために、ご先祖様に常に自分が見られていると意識して自分自身に鞭を打つようにしていますが、これでは所詮受け身です。
自分自身には、嘘はつけません。この親方のように、「自分を見ておいてくれ」というレベルに達することができるかどうかが、私自身の一つの分かれ目なのでしょう。


◆運がある

ところで余談になりますが、私は「運が強い」とか「運がある」と思っています。
その理由として、自分勝手な解釈ですが、何となくご先祖様とか神様に守られているように感じているのです。
そして自分で言うのも変な話ですが、このような感覚を持つことによって、様々な出来事をプラス思考で捉えることができるようになりました。
例えば単純な例で言いますと、道が混んでいたとします。
以前であれば「あー、ついていないなあ」と文句を言ったり、イライラしたりしていたのですが、最近は「混んでなければ、スピードを出して事故に遭遇していたかもしれない。事故に遭えば事故処理もあるし、今渋滞している以上に時間が掛かってしまうので、ご先祖様が自分のために敢えてこの混んでいる道を選ぶようにしてくれたんだ」と考えることができるようになったのです。
「そんなことは当たり前」と言われるかもしれませんが、私にとっては雲泥の差があるのです。
日々いろいろなことがあるのですから、渋滞するくらいでイライラしていたのでは体がいくつあっても持ちません。
しかし、こんな風に考えれば少々のことは気になりませんし、例え気分が落ち込んでもすぐに立ち直ることができます。
成功されている方や頑張っていらっしゃる方のお話をお聞きしますと、常に前向きな考えを持たれ、それによって自ら運を引き寄せていらっしゃるようです。
最近は、暗いニュースが多いのですが、せめて自分の周りのことはできるだけプラスに捉え、自分と周囲を明るくする毎日を過ごすよう心掛けたいと思います。

■編集後記

墓参りの最後に、広島県東部の福山市の親戚を訪ねるのですが、嬉しいことに今年はちょうど花火大会の日程と重なっており、親戚と一緒に花火見物に行きました。
今年、広島市内で行われた花火大会は、景気低迷の影響からか規模を縮小していたようで、少々物足りなさを感じてしまったのですが、この福山市の花火は、打ち上げる数や花火の大きさ等これまでに見たことの無いくらい素晴らしいものでした。
花火は、一瞬の輝きで終わってしまうものですが、そのはかなさが花火の美しさを一層際立たせているようです。
人の一生も、地球の歴史から考えると一瞬に過ぎないものですし、感覚的なものですが、年を重ねる度に一年を早く感じるようになっており、先人が申されるように、人生とはまさに花火のようにはかないものなのでしょう。
しかしながら、自分を花火に例えるならば、不発とならないよう、一瞬でも、自分なりに輝くことができるよう精進したいと思います。

※今月の「考事縁」は、お休みさせて頂きました。

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